他子ども会の創意工夫事例

区外からの依頼も大歓迎!60年以上も“人の輪”をつなぎ続ける若者ボランティアサークル【中村区/竹の子ボランティアサークル】

名古屋市中村区で、中学生~大学生の若者主体に地域活動を展開する「竹の子ボランティアサークル」。60年以上の歴史を持ち、現在28名のメンバーが加入しています。自主企画の行事運営に加えて、子ども会や自治体の行事サポートなど、地域にとって欠かせない存在となっています。会長の田中さんと高校生メンバー4名に、子ども会や地域との連携についてお話を伺いました!

【活動内容の工夫】
自主企画行事と年間30回以上の外部団体の行事サポート(以下1)
【協力者のメリット】
メンバー:失敗に寛容な環境と多様なやりがい(以下1・2)
外部団体:運営の負荷低減、“人の輪”の広がり(以下3)


1.自主企画行事に加えて、年間30回以上の外部団体の行事をサポート

会の概要を教えて下さい。

田中さん(竹の子ボランティアサークル会長)
会の設立自体は1962年で、60年以上の歴史を持ちます。私自身も小学生からのメンバーで、30年以上関わっています。現在のメンバーは、中学生14名・高校生9名・大学生以上5名の計28名。会独自の行事運営に加えて、子ども会などの外部団体の行事の企画・運営のサポートも行っています。

会の活動方針などはありますか?

田中さん
「子どもと若者が、自ら成長する力を解放する機会を作る」をミッションにしています。これは、2018年に当時の高校生メンバーとともに作り上げたもので、会がサポートする“子ども”と会のメンバーである“若者”の双方のメリットを目指しています。
子どもや若者は、本来は自主的にチャレンジや成長を目指す存在です。ただ、外の世界では失敗すると叱られることが多く、どんどんチャレンジしなくなる。それでは成長できないので、ここでは失敗に対して寛容な環境でありたいと思っています。

メンバーとともに作り上げたミッション、素晴らしいですね!具体的な活動内容を、教えて下さい。

田中さん
会独自での行事として、代表的なものは2つです。1つは、隔月開催の「子ども食堂」で、地域のコミュニティセンターを借りて、日曜日の夕食を提供してます。食材の面では地域の企業や店舗など、調理の面では民生委員さんなど、幅広い方々との関わり・協力で成り立っています。もう1つは、約20年前から実施している「こどもの国なかむら」です。約2日間にわたって、子ども達が国の運営を疑似体験するイベントです。手作りキッザニアのようなイメ―ジです。

外部行事のサポートには、どのようなものがありますか?

田中さん
子ども会であれば、クリスマス会・歓送迎会での盛り上げ役や、夏祭り・秋祭りでのブース運営のサポート、スポーツイベントの補助などが多いです。当日の運営サポートのみもあれば、ゲーム企画などを手伝ってほしいという内容もありますね。行事サポートは中村区以外のものもあり、年間30回以上行っています。

幅広い人とのつながりが魅力の「子ども食堂」
20年以上の歴史をもつ「こどもの国なかむら」(赤いTシャツがメンバー)

2.ワクワクな活動を通じて、社会とのつながりや自分の強みを発揮できる

ここからは、高校生メンバーの皆さんにお話を伺います。

ソーシャルキャラメルパーティー(以下、SCP
今日のインタビューは、実際の活動で使っているニックネームでいいですか?

是非!ちなみに、ニックネームを使う意図は何ですか?

トトロ
年齢を意識せず、距離感を近くするためです。小学生もニックネームですし、田中さんも普段はニックネームです。中学生メンバーが高校生メンバーに指示することもよくあります。そうしたスタイルを後押しするための、ニックネームです。

分かりました!では、幅広い活動内容ですが、どのような点にやりがいを感じますか?

SCP
子ども達が笑顔になってくること。こちらが一生懸命に取組めば、子ども達は必ず楽しそうにしてくれます。高校生は笑顔のハードルが高いので、学校では率先して周囲を楽しませるタイプではありません(笑)。

トトロ
毎週土曜日の定例会での、同世代との交流が一番楽しいですね。実際の行事当日よりも、それに向けた準備の方が楽しいタイプですね。

ミニトマト
私は人と話すのが好きなので、子どもから大人まで、幅広い人と色々な話ができるこの活動が好きです。人前で話す機会もワクワクします。

アルバトリオ
僕は人前で話すのは余り好きじゃなくて、ゲームや行事などで新しい企画を考えたり、関連した知識や技術をマスターするのが楽しいです。

ミニトマト
アルバトリオの企画力は、本当にピカ一ですよ!

イベントの準備と当日、企画の準備側と運営側。同じ活動でも、皆さんそれぞれに多様なやりがいを感じていることが分かりました!そして、メンバー同士で強みを分かち合えているのも素敵です。ちなみに、先ほど田中さんから話があった、失敗への寛容さは感じてますか?

ミニトマト
はい、とっても!自分達が思うように、やらせてもらっています。

SCP
時々外部の方で失敗に寛容でない方に接する機会があると、自分達は普段は温かい大人に囲まれているだなと感じます。

行事準備から企画のネタ出しまで、多様なテーマを扱う「定例会議」
行事サポートは、子どもたちの笑顔が大きなやりがい

3.会のサポートを通じて、子ども会などの“人の輪”づくりに貢献を

サポートする外部団体の方にとっては、竹の子さんが関わることでどんなメリットがあるでしょうか?

田中さん
1つは、行事運営などの負担が減ることです。役員の方々だけで、企画・運営をやるのは大変だと思いますので。また、アルバトリオのように企画立案に長けたメンバーもいるので、行事をもっと面白いものにするお手伝いもできます。
もう1つは、人の輪が広がることです。子ども会だと、小学生と大人に加えて中高生が入ることで、多様性が生まれます。また、子ども食堂でも、民生委員さんは年齢が上の方々が多いので、隔月での若者との関わりをとても楽しみにしてくれています。

会長として関わる中で、田中さんが大切にしていることはありますか?

田中さん
社会から、愛される人になるようにといつも伝えています。メンバーたちは今は守られる立場ですが、大人になって社会に出ていくと厳しい環境に置かれることもあります。そんな時にも愛される人であれば、周囲が必ず助けてくれます。
ですので、どんな行事でも、「相手がどんな中高生であることを期待しているのか?」と常に問うてますし、挨拶から声掛けまで自然に適切な振る舞いができるようにサポートしているつもりです。彼ら高校生メンバーの姿をみて、中学生メンバーも真似しようとしますので。

SCP
確かに、中学生メンバーは田中さんじゃなくて、僕たちのところに来ますもんね。

田中さん
それでいいんだよ。身近な存在から学ぶことが一番!

インタビューにご協力くださった田中さん(右端)と高校生メンバー4名の皆さん

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